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アミノ酸プール:水漏れしていませんか?

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こんにちは高野英恵です。

今日はアミノプールの話です。

昨日は久しぶりに焼肉を食べにいきました。

私に美味しく食べられてしまった牛肉クンですが
彼の分子化合物は、私の身体でどのように変化していくのでしょうか?


食事から摂取されたタンパク質は、胃液に含まれる胃酸とペプシンという消化酵素で分解されたのち、十二指腸でトリプシン、更に小腸でペプチダーゼによって最終的にアミノ酸まで分解されます。


タンパク質がバラバラになったアミノ酸は、小腸の上皮細胞から取り込まれ、毛細血管から門脈を通って肝臓に運ばれます。

肝臓に運ばれたアミノ酸は、体内で再び必要なタンパク質合成に利用されます。



体内では食事から摂取したタンパク質を分解して得たアミノ酸の他に
体タンパクの分解から生じたアミノ酸も存在します。

食事由来と体タンパク由来のアミノ酸は、互いに区別されることなく利用されます。


昨日食べた焼肉と今まで私の身体にあったタンパク質が融合しているんですね♪



ヒトはアミノ酸を材料として、心臓、肝臓、脳などの臓器や筋肉、神経伝達物質、抗体、ホルモン、酵素やヘモグロビンなど、生命活動に必要な様々なタンパク質を合成していきます。


生体では、食事の摂取と体タンパクの分解から得たアミノ酸をもとに、
その量に応じた分だけ、新たにタンパク質が合成されるということを繰り返しています。


オリジン生化学研究所によれば、
”体内で合成されるタンパク質の総量(体重60kgの成人で180g/日)は
食事によって摂取されるタンパク質(成人男子の所用量で70g/日)よりも多い。

成人では見かけ上、(身体を構成する)タンパク量は日々変わらないと考えられますので、新たに合成されるタンパク質のかなりの部分が、体タンパク質の分解によって生じたアミノ酸を再利用して合成されていることが分かります。”
と説明しています。

前回のメルマガでは、ゆで卵から摂れるタンパクの量について書きましたが
ヒトの身体機能を維持するには、ゆで卵を20個食べたところで、
到底少なすぎる量であることが分かります。



ヒトタンパクを合成するのに必要な20種類のアミノ酸ですが、
身体を維持するだけの量が不足してしまったら一体どうなってしまうのでしょうか?


アミノ酸が辿る運命は2つに分けられます。


・非必須アミノ酸(11種)が不足した場合

ヒト細胞の中にある材料を使って必要なアミノ酸を作り出す


・必須アミノ酸(9種)が不足した場合
食事から摂取量が不足したら必須アミノ酸からタンパク合成をする道は閉ざされる


食事から9種類の必須アミノ酸が摂取できなければ、私たちの生命活動は成り立ちません。

必須アミノ酸は1種類でも欠けると、正常なタンパク質を作ることができないのです。



でも、我々は毎日9種類のアミノ酸をきちんと摂取できているかと言えば、そうでない時も勿論あります。

  • 風邪をひいて食事ができない
  • ファスティング(断食)をしている
  • ケーキとチョコレートを食べる日々

こういった状況であっても、生命活動は何とか維持できています。



このことを下支えする概念的な論拠として引き合いに出されるのが
「アミノ酸プール」です。

別名「アミノ酸の桶の理論」とも言われます。

ヒトには身体に「アミノ酸」の貯蔵庫で予備を備蓄して
おくことで、体内でアミノ酸が不足した時の為に素早く使用できる機能が備わっています。

「アミノ酸プール」は、タンパク代謝に利用される遊離アミノ酸のことで、血液および各組織に存在します。


遊離アミノ酸は、食事由来や体タンパク由来のアミノ酸としてプールに貯蔵されつつ、遊離の状態になっているので細胞の中や血管の中を巡り、必要に応じてプールを行き来しています。

体内で最も大きなアミノ酸プールは骨格筋で、全アミノ酸プールの 50%以上を占めるとされ骨格筋1Kg重量あたり3~4gの遊離アミノ酸を貯蔵しているといわれています。


アミノ酸プールは、一定量を越えると過剰分は分解されエネルギーとして使われたり、グリコーゲンや脂肪として貯蔵されます。



グリコーゲンとは、筋肉と肝臓にある
エネルギーの一時保管所です。


余剰のグルコース(ブドウ糖)を一時的に貯蔵しておくための場所です。


グリコーゲンは、多数のブドウ糖が複雑につながった
多糖類で、骨格筋で筋収縮のエネルギー源となるほか、肝臓のグリコーゲンは血糖値を一定に保つために使われるなど、様々な役割を担っています。


グリコーゲンは、空腹時や絶食などで血糖値が下がった際にグルコースを放出し、活動に必要なエネルギーを供給します。


肝臓中にあるグリコーゲンの量は少なく、
ブドウ糖のストックとして大人でも約60g程度と言われています。


12~18時間絶食すると肝臓におけるグリコーゲンはほぼ枯渇します。

筋肉のグリコーゲンは運動負荷後にのみ枯渇します。す。

グリコーゲンの材料はグルコースですが、
グルコース以外に、糖原性アミノ酸からもグリコーゲンが作られます。


糖原性アミノ酸には、アラニン、アスパラギン酸、メチオニン、スレオニン、バリン、グルタミン酸などの種類があります。


糖原性アミノ酸はTCA回路でのATP合成やオキサロ酢酸から糖新生に入り、グルコースに転換されます。

グルコースを生成し、血中に放出して血糖値を上昇させる役割も担います。


食事から摂取したり、身体から分解されたアミノ酸ですが、
そのすべてがヒトのタンパク質に生まれ変わり、再利用されるわけではありません。


ヒトのアミノ酸の再利用率は、一説には50~70%だと言われています。

タンパク源を全く摂らなかった場合、1日に30g以上ものタンパク質が利用することが出来ない形のまま分解され、身体から排出されて、失われるとも言われています。


アミノ酸プールの図を見て頂ければ分かりますが、
プールにある特定のアミノ酸が十分量があっても、
別の種類のアミノ酸の量が不足すれば、プールの水は低い方の高さまでしか入りません。



例えば、右のようにリジンが不足すると、
他のアミノ酸がいくら沢山あってもプールの中の水は、漏れてしまいます。


アミノ酸プールに関して、
動的平衡2」の中で福岡伸一先生は次のように述べています。


9種類のアミノ酸をバランスよく摂取しなければ、体は少ないものに合わせてタンパク質を合成する。一種類でも不足すれば、他の余分なアミノ酸は捨てられる。



ここまで読み進めていくと、タンパク質の摂取において最も重要なことは、20種類すべてのアミノ酸をアミノ酸プールに準備しておくこと、という結論に至ります。


多種多様な食品からまんべんなくタンパク質を摂取して、バランスを取るのが最も良い方法であることに異論の余地はないように見えます。



ですが、目下の問題は、

  • 今自分の身体の中でどのアミノ酸が不足しているのか
  • プールから水がじゃぶじゃぶ漏れている原因が何なのか

を把握するのがそう簡単ではないことです。



タンパク不足であることは自分の身体のコンディションから何となく推察できるけど、自分はロイシンとメチオニンとトリプトファンが足りない...といった具合に、
個々のアミノ酸不足まで言い当てることってできるんでしょうかね。


また、非必須アミノ酸は生体内で合成できるからと言って油断していいものかと言えば、そうでもないような気がします。


遺伝子の振る舞いやエピジェネティクスの観点から、
自分はグルタミン酸を合成・代謝する力が弱い...という事実があったら
その一つのピースが欠けていることが、全身に大きな問題を生じさせているのかもしれません。



とまあ、想像を巡らせればキリがないですが、
アミノ酸を通じて色々なクエスチョンが頭に浮かんできました。


このメルマガを書いていて、今、はたと気が付きましたが、
そう言えば、私は「アミノ酸検査」というものを過去に受けたことがあることを思い出しました~!!


2014年の11月にベン・リンチ博士を招待してメチレーションセミナーを開催した際、
翌日に個別のセッションがあったのですが、それに参加する人は全員「アミノ酸検査」を受けろと言われて受けたんです...

これがその時の「ラウンドテーブル」(症例検討会です)。


下がその時に受けたアミノ酸検査です。



このメルマガを読んでいる方で、アミノ酸検査を受けられたことがある人はいますか?



今度、時間を見つけて自分のアミノ酸プールの状況について向き合ってみたいと思います。

栄養療法.jp 管理人 高野英恵

info@eiyouryouhou.jp