実際、栄養療法に取り組んでいる医療関係者は(上記のドクターを含め) こうした個別の酵素に着眼しているというより、 問診や症状から読み取った患者の情報を土台として、 検査数値を病気の要素や結果の一部として考え合わせた上で 仮説を立てたり、治療戦略を練っているのが大半だと思います。
一つの項目や一種類の酵素が高値、低値を示していたからと言っても それは単なる「検査結果のデータ」に過ぎません。
単一の項目や数値だけにこだわると、俯瞰してみるべき全身の状態や症状が ぼやけてしまう危険性が出てくるかもしれません。
何より、患者の症状を改善するという本来の目的がズレてしまうリスクもありますね。
今日説明したy-GTPも、極端な例を除けば、それが単独で何かの意味を成すということはあまりない気がします。
栄養療法における血液検査の解読では 種々のファクターを総合的に勘案するスキルが大切で、 酵素機能を見極める場合においても、ASTやALT、ALP、ChEといった 関連項目を的確に組み合わせながら、深読みできる感覚を養っていくのが重要だと考えます。
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