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CK(クレアチニンキナーゼ)

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こんにちは高野英恵です。

今日はCKについて書きます。


CPKとCKって同じ?

血液検査の項目であるCK(クレアチンキナーゼ)は
CPK(クレアチンホスホキナーゼ)と呼ばれることがあります。

結論から言えば、両者は同じ酵素です。

クレアチンはCK(クレアチンキナーゼ)によってクレアチンリン酸になります。


キナーゼとは、「リン酸化酵素」のことです。
生化学において、ATPなどの高エネルギーリン酸結合を有する分子からリン酸基を
基質あるいはターゲット分子に転移する(リン酸化する)酵素の総称です。


リン酸のことを「phospho=ホスホ」と言います。


そのため、CK(クレアチンキナーゼ)は、CPK(クレアチンホスホキナーゼ) とも言います。



因みに、前回のメルマガで取り上げた「ALP(アルカリホスファターゼ)」は
リン酸化合物を、リン酸と水酸基を持つ化合物とに分解する酵素でしたね。
ホスホキナーゼによって行われるリン酸化と逆の効果を果たします。



クレアチンってなに?

クレアチンはアルギニン、グリシンおよびメチオニンの3種類のアミノ酸から作られます。
体内のクレアチンは、95%が骨格筋内に存在し、肝臓、腎臓、膵臓で合成されます。



腎臓や膵臓に特異的に発現しているAGMTの酵素が、
アルギニンのグアニジノ基をグリシンへと移す反応を触媒します。

生成したグアニジノ酢酸(GAA)は肝臓へと移り、GAMTによりメチル化され、
クレアチンが生成されます。


まとめると...

<腎臓で> L-アルギニン + グリシン → グアニジノ酢酸 + L-オルニチン

   ↓

<肝臓で> グアニジノ酢酸 + S-アデノシルメチオニン(SMA)
→ クレアチン + S-アデニル-L-ホモシステイン(SAH)



体内ではどうしてクレアチンリン酸の形で貯蔵される

体内のクレアチンの約60%はクレアチンリン酸(PCr)として存在しています。
クレアチンリン酸はリン酸化されたクレアチンのことです。


クレアチンリン酸は骨格筋におけるエネルギー貯蔵物質で
2秒から7秒程度のスピードで分解され、エネルギーを生み出すことができます。




ヒトのエネルギーを生み出すATPとの関連性

筋収縮のエネルギー源はアデノシン三リン酸(ATP)であり、
ATPが分解されてアデノシン二リン酸(ADP)になる際に放出されるエネルギーが使われます。


しかし、身体の中のATPの量には限りがあるので、
運動を続けるためにはATPを再合成しなければなりません。


ATPを再合成するためには3つの経路があります。

1. ATP-クレアチンリン酸系
2. 乳酸系
3. 有酸素系

このうち、ATP-クレアチンリン酸系は無酸素運動時の最もすばやいATP合成が可能です。



クレアチンリン酸がすみやかに分解され
ADPにリン酸基を引き渡すことで、急速にATPが再合成されます。



クレアチンキナーゼによってリン酸基が外されクレアチンに戻る反応


この代謝反応は、物質が同じ経路をたどって元の状態に戻ることができる
可逆的システムなので、ATP濃度の調整にも役立っています。



ATPからリン酸を遊離してADPに変化させることで我々の身体はエネルギーを放出しています。



体内でATPを作りだすには、前述した乳酸系、有酸素系がありますが
運動の開始時に動員されるのはATP-CP系です。

クレアチンの摂取は、はじめに使われる高強度の運動の持続時間を長くし
その力をより強くすることが期待できるため
プロのスポーツ選手やアスリートにとって
クレアチンは非常に重要な栄養素と位置付けられ、積極的な摂取が求められているようです。



出展:DOME Corporation



血液検査でみるCK/CPK

という訳で、CK/CPKは、体内でのエネルギー代謝に関わっている酵素だということが分かりました。

血液検査では、逸脱酵素として血液中(血清中)のクレアチンキナーゼの濃度を計測することにより心筋障害や筋疾患などの病状を分析します。


主に骨格筋・心筋・平滑筋・脳などに多く存在し、これらの組織が障害をうけると、細胞からCK/CPKが血液中に流れ出し、血液検査で高値を示すようになります。


CK/CPKには、3 種類のアイソザイムがあります。

1. CK-MM(骨格筋)
2. CK-MB(心筋)
3. CK-BB(脳、子宮、腸管)

通常の血液中には、CK-MMが大半を占め、CK-BBは殆ど存在せず、CK-MBは僅かだと言われています。



CK/CPKが高値になる状況

1. 骨格筋疾患:ミオパチー、筋ジストロフィー、多発性筋炎、皮膚筋炎など
2. 心疾患:心筋梗塞、心筋炎、心膜炎など
3. 神経筋疾:患重症筋無力症、てんかんなど
4. その他:甲状腺機能低下症、頭部外傷、脳梗塞、悪性腫瘍(胃がん、大腸がん、肺がん、前立腺がんなど)など


また、CRCによれば、激しい運動、肉体労働、こむら返り、筋肉注射、点滴漏れ、外科手術後、小児では採血時の大騒ぎなど、疾患によらない筋組織の損傷でも上昇するそうです。

データ評価時には3-4日内の運動歴をチェックする必要があるそうなんですね。




また、ミトコンドリア内にはミトコンドリアCKがあり、
ミトコンドリア内で産生されたATPをCPとして細胞質へ転送し、筋繊維や小胞体に結合したCK-MMによりクレアチンとATPに変換し瞬間的な高エネルギー産生に対応しています。

よって、栄養療法的な血液検査では、通常の臨床検査でチェックされる筋肉疾患の診断に加え、ATP産生が効率に実施されているかどうかの指標にもしています。



CK/CPKが低値になる状況

甲状腺機能亢進症、全身性エリテマトーデス(SLE)、高ビリルビン血症、高アルカリフォスファターゼ血症、関節リウマチ、 シェーグレン症候群、長期臥床、ステロイド剤医療、化学療法、妊娠、骨格筋量減少、運動不足、ミトコンドリア機能の低下など



CK/CPKは筋肉の量と比例するので、男性は女性と比べると20-30%程数値が高くなります。

男女共に高齢になるにつれ数値が低くなります。

女性は妊娠中と出産前後にCK/CPKが高くなります。

飲酒によってもCK/CPKは上昇し、筋肉や血管への注射、心臓・脳の手術などによってもCK/CPKの数値が高くなります。

栄養療法.jp 管理人 高野英恵

info@eiyouryouhou.jp